間違いだらけ!シロアリに関するよくある質問とその答え
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間違いだらけ!シロアリに関するよくある質問とその答え
シロアリ駆除や対策でお困りの時、間違った知識や俗論に惑わされないようにすることが重要です。
実際、シロアリの生態に対する思い込みや、効き目のない対策は多く存在しています。
正しい知識がないがために、悪徳な業者に高額な工事費用を払わされたり、自分で間違った対策をしてしまわないようにしましょう。
そこで、シロアリに関するよくある質問と正しい知識をまとめました。
シロアリは銅が苦手は本当?
「シロアリの被害が出た木材に銅板を巻いたら、シロアリが出なくなった。だからシロアリは銅が苦手である。」という話が出回っていますが、銅に忌避作用や殺蟻作用はありません。
無防備なシロアリを銅板の上に置いてみても、紙の上と全く変わらず動き回ります。
むしろ銅板で密閉されたことで、その部分のみ被害に逢ったり、銅そのものに被害があることも。
シロアリ駆除に銅板で対策をするのはやめましょう。
乾燥した床下には侵入しない?
確かにシロアリは個体だと、含水率が15%以下の木材の中では生息できません。
シロアリが乾燥を嫌うことを理由に「湿気のない構造」や「湿気を吸い取る物質での対策」を信仰し、勧めてくる住宅関係者もいます。
しかし、地下や水源と連絡しながら侵入するシロアリにとって、木材の含水率はほとんど意味がないのです。
さらにシロアリは多くの場合「蟻道」と呼ばれる泥のトンネルを作ります。
蟻道の中で湿度を確保しながら侵入することができるのです。
なので床下を乾燥させることだけでは、侵入を防ぐことはできません。
シロアリの侵入経緯は湿度の高さではなく、そこにシロアリがいるかどうか、そこが侵入に適した形状であるかどうかです。
また、シロアリの生息場所の生物バランスや振動なども侵入経緯に関係しています。
隣でシロアリを駆除すると逃げてくる?
シロアリは接触するまで、隣の敷地に家があることすら知リません。
庭の花壇にシロアリがいる場合でも、そこの環境に適応していれば、わざわざ家に向かうこともありません。また、シロアリは群飛による巣の移動はありますが、駆除によって巣系の移動をすることはないのです。
ならば、羽アリの群飛は近所に迷惑がかかるのでは?と思われるかもしれませんが、同一地域では駆除をしているの家の敷地以外でも、群飛は行われています。
それに羽アリの生存率は極めて低く、営巣前に他生物の餌になってしまうことがほとんど。
ですから「侵入して来たシロアリは、駆除した家から逃げてきた」という考え方をするのは間違いです。
ヒバやヒノキはシロアリに強いから加害されない?
ヒバやヒノキはその他の木材に比べ、抗蟻性が高いのは事実です。
ですがそれは単一のコロニーに対し、マツなどの抗蟻性の低い木材と選択可能な状況で実験した結果にすぎません。
そもそも自然の中で、シロアリは木材を選べず、触れたらかじるという遺伝的プログラムで行動しています。
なので、そこにヒバやヒノキしか無ければそれを食べるのです。
実際、シロアリ対策のためにヒバのみで建築した家が、丸ごと被害に逢ってしまったケースもあります。
抗蟻性が高い木材の使用はシロアリ対策の一手として考え、それだけで安心しないようにしましょう。
業者に依頼すればもう安全?
シロアリ駆除を専門とした業者は数多くありますが、全てが安全とは限りません。
中には法外な金額を請求したり、しっかり駆除してもらえないような、悪徳な業者が存在するのも事実です。
シロアリに対する不安から、慌てて業者を呼んで契約してしまう前に、しっかりと見極めが必要と言えるでしょう。
依頼する際は、下記のシロアリ駆除業者の「見極めポイント3つ」を参考にしてみてください。
見極めポイント1【突然の訪問営業】
突然の無料点検で「シロアリが発生しているので、近々家が倒壊するかもしれない」などど不安を煽るようなことを言って、工事を急かしてくる業者があります。
このような場合は悪質な「点検商法」ではないかどうか注意してください。
家屋がシロアリに食害されて、今すぐに施工しないと危ない!などという状況はまずありません。
また、農協や生協の営業マンと名乗ることで相手を安心させ、工事を勧められることもあります。
農協や生協の紹介であっても、悪徳なシロアリ駆除業者が独り歩きしてしまって、紹介組合が黙認しているケースも少なくはないのです。
不安を煽る言葉や組合の肩書きに惑わされて、安易に契約しないようにしましょう。
見極めポイント2【費用】
業者に来てもらったらまず、見積もりをしてもらうだけでなく、明細ももらって無駄な費用がかかっていないかどうかをチェックしましょう。
一般のシロアリ駆除の相場は、一坪だいたい7,500〜9,500円。
3LDKでだいたい10万円ほどになります。
これを大幅に上回る金額を請求してくる業者には注意しましょう。
見極めポイント3【保証内容】
業者によって駆除の後の保証内容は様々ですが、一般的に3〜5年は保証期間があります。
なるべく保証期間が長く、その間に再びシロアリが発生してしまった場合、無料で再駆除をしてくれる業者を選ぶのがおすすめです。
例え保証期間があっても、なんらかの条件付きでの再駆除しか無料で行えない内容になっている場合もあります。
その場合は保証適応外になってしまい、契約時と変わらない費用を請求されてしまうかもしれません。
最初に保証内容をしっかり確認しておくことが大切です。
シロアリは苦手なものはほとんどなく、接触したものはなんでもかじってしまう生き物です。
銅や乾燥などの根拠の無い対策を自己判断で行わないようにしましょう。
またシロアリ駆除をした家があったからといって、近隣の迷惑になることはないので安心してくださいね。
そして、業者にシロアリ駆除・対策を依頼する際は「見極めポイント」を踏まえ、一社だけでなく複数の業者に見積もりをしてもらうとよいです。
冷静になって料金や契約・保証内容の比較をし、的確な駆除・対策を行ってくださいね。
よくある質問!シロアリが大量発生!こんな時どうしたらいい?
シロアリの大量発生は、あなたの家を襲う緊急事態です。
あまりのことに慌ててしまうのも当然です。しかしながら、家を守るためにもシロアリに対処しなければいけません。
そこで、これまで多くの方からお問い合わせ頂いた、よくある質問をまとめました。
羽アリを見つけました。どうしたらよいですか?
突然現れた羽アリの大群。びっくりされましたよね。
見た目は気持ち悪いかもしれませんが、羽アリそのものは人間には無害ですので安心してください。
見つけたシロアリは掃除機で吸引しましょう。
次に、もし可能であれば、シロアリがどこから飛び出してきたのか調べてみましょう。
羽アリはその時期だけに作られる「群飛孔」と呼ばれる穴から飛び出します。
その場所を見つけ出し、「群飛孔」を中心に一気に吸い取って駆除するのがおすすめです。
掃除機で吸った羽アリは、吸い込まれた時の衝撃で、そのほとんどが死んでしまいます。
生きていたとしても、水分を取ることができないので、24時間以内には死んでしまうでしょう。
掃除機の中に残った羽アリは、そのままゴミ袋に入れて、処分しましょう。
本当にシロアリですか?
もちろん、日本にはシロアリ以外の害虫もいます。シロアリとよく似ているため見間違えてしまうこともあるかもしれません。
害虫の種類によって対処法が異なるので、とっても重要ですよね!
見間違えないためには、シロアリの特徴をしっかり把握しておくことが必要です。
あなたが見つけた害虫が以下の特徴に当ったなら、それはシロアリである可能性大です!
シロアリの発生時期
ヤマトシロアリ …4月〜5月
イエシロアリ …6月〜7月
上記の季節以外で、シロアリを目にすることはほとんどありません。
シロアリの見た目
触覚 …数珠状
胴 …くびれがなく太い
ハネ …前後の羽がほとんど同じ形
シロアリか自信が持てない時はどうしたらよいですか?
シロアリの特徴を頭に入れてみても、やっぱりどうしても自信がない時。
そんな時は、やはり専門家に判断してもらうことをおすすめいたします。
シロアリ駆除を専門とした業者もたくさんあり、診断だけなら「無料」というところも多いです。
万が一、シロアリであればすぐに駆除方法について検討する必要がありますし、
そうでないなら、予防策についても詳しく教えてくれますよ。
シロアリだった!業者を選ぶ時の注意点は?
あなたの家がシロアリに侵されていることがわかったら、さっそく駆除をする必要があります。
その際に、重要なのが業者選びですが、残念なことに、悪質な業者が存在することは否定できません。
「ちゃんとした業者に頼みたい!」
そう思われるのは当然のことです。
業者選びに失敗しないために、次のようなポイントに気をつけてください。
日本しろあり対策協会に加盟していて、しろあり防除士の資格者がいる
公益財団法人日本しろあり対策協会は、日本で唯一の業界団体です。シロアリの研究を始め、薬剤の認可など日本で最も権威のある組織です。
協会による認定資格「しろあり防除士」という資格もあります。
この協会に加盟している業者であること、資格保有者が複数いることは、「優良業者」の基準になります。
作業内容についてしっかり説明してくれる
あなたが契約しようとしている業者は、しっかりあなたの質問・疑問に答えてくれていますか?
もし、あなたの質問に対してうろたえていたり、答えが出てこないようなら、要注意かもしれません。
シロアリ駆除は専門的な作業が必要です。
シロアリへの知識、作業の流れやポイントについて、しっかり説明してくれるか見極めましょう。
適正価格である
シロアリ駆除にかかる費用は、一般的に坪単価で計算されます。適正価格の目安は、7,000〜9,000円前後だと言われています。
そのため、極端にこの価格と外れている場合は「怪しい」と思いましょう。
もちろん、費用の問題はとっても重要です。
できるだけ費用を抑えたいと、多くの方が考えていることでしょう。
しかし、価格だけで判断することにはリスクもあります。
なぜならば、シロアリ駆除で使用する薬剤には、化学物質が含まれています。
悪質業者は質の悪い薬剤を選ぶことで価格を抑えている可能性が考えられるからです。
この時、懸念されるのは健康被害です。特に胎児・子どもへの影響が心配です。
例えば、脳の発達を妨げたり、アレルギー反応による喘息などが引き起こされるかもしれません。
成人の方にも、シックハウス症候群の危険性が考えられます。
代表的な症状は「頭痛・目や喉の違和感を訴える」などが挙げられますが、症状がひどくなると入院することもあります。
家で過ごす時間の長い女性の方が発症しやすいと言われています。
どんなものにも適正価格があります。
見積内容、サービス内容に不明瞭な点はないか、体への影響を考慮した薬剤を使用しているのか。
しっかりチェックすることが必要です。
シロアリ駆除を依頼するとき、業者選びが大きなポイントになります。
対応、価格、サービスともに誠意を持った対応をしてくれる業者を選びたいですね。
特に、薬剤の問題は家族の健康に直結します。
家を守るためのシロアリ駆除が、家族を病気にしてしまうなんて悲しすぎます。
使用許可されている薬剤について、危険な薬剤について、ご自身でも事前に調べておくことをおすすめします。
シロアリ駆除の薬剤比較|気になる人体への影響とよくある質問
シロアリを駆除するのには、薬剤が必要不可欠です。
家の下だけでなく、水回りや部屋の中などにも駆除剤を撒かないといけないパターンもあるでしょう。
住んでいるのに、家中に薬剤を撒き散らすなんて、体への影響が心配!という人がほとんどだと思います。
健康な方はもちろん、小さなお子さんや妊婦さん、アレルギー体質の人や免疫力の弱い人などのご家庭では、シロアリの全滅よりも体への影響の方が懸念事項かもしれません。
素人では詳しく知る事のできないシロアリ駆除の薬剤について、簡単にまとめてみました。
シロアリ駆除の薬剤比較
シロアリは、1匹見つけたら数万匹はいるといいますから、そのまま放置してしまうと、とんでもないことになる可能性も…。
シロアリを1匹でも見つけたら、早めに駆除することがとても重要です。
しかし、シロアリ駆除の薬剤にはたくさんの種類があり、どの薬剤を使えばよいのかわからない方も多いことでしょう。
そこで今回は、シロアリ駆除の薬剤を比較してみました。
シロアリ駆除の薬剤を成分の特徴で比較!
シロアリ駆除に使用する薬剤というと、「毒性が強く人体に影響があるのではないか?」と心配される方も多いと思います。
一昔前は毒性の強い薬剤も使用されていたようですが、現在は(社)日本しろあり対策協会や(公社)日本木材保存協会が、安全性と効果を認定した薬剤のみが販売されています。
シロアリ駆除に使用する薬剤の種類は豊富で、成分によって大きく5つに分かれます。
それぞれの成分には特徴があるため、シロアリの種類や被害状況、環境や目的によって選ぶ必要があります。
では、成分別にそれぞれの特徴をみていきましょう。
ネオニコチノイド系
ガーデニング用や農業用にも使用されるもので、人や家畜に対しての安全性は高いのが特徴です。
シロアリ駆除以外にも、ゴキブリ駆除やペットのノミやシラミ取り、スプレー殺虫剤にも使用されています。
ネオニコチノイド系の薬剤は、ニコチンに似た構造でできていて、昆虫に対して毒性を発揮します。特にミツバチに対して強い毒性があります。
シロアリ駆除に関しては非常に効果がありますが、シロアリ以外の昆虫にも作用してしまうため、大量散布などには注意が必要です。
また、非忌避性で遅効性があるため、シロアリは薬剤とわからずに接触するので、ドミノ効果も期待できます。
ピレスロイド系
ピレスロイドというのは、除虫菊に含まれる成分のことで、殺虫剤として広く使用されています。
現在使用されている合成ピレスロイドは、昆虫類や両生類、爬虫類の神経細胞に作用する神経毒の一種です。
魚毒性が高いため、河川や池など水の近くでの使用には注意が必要です。しかし、哺乳類や鳥類には毒性は低く、安全性の高い殺虫剤です。
シロアリに対しては即効性があり、忌避性も強いという特徴があります。
カーバメート系
神経系に作用してシロアリを退治する薬剤で、殺虫剤や除草剤としても使われています。
魚類に対する毒性は低いですが、人や家畜に対しては毒性がやや高めです。強い殺蟻力があります。
カーバメート系薬剤に含まれている成分が、シックハウス症候群の原因物質となる可能性もあることから、室内濃度指針値が設定されています。
熱や光、酸に対して安定性は高いものの、アルカリ成分によって加水分解を受けやすいという性質があります。
フェニルピラゾール系
殺虫効果が強く、低薬量でも効果を発揮します。シロアリ駆除用として使用される薬剤です。
人や家畜、魚類に対して毒性が強いため、使用には十分な注意が必要です。
非忌避性で遅効性があるので、ドミノ効果も期待できます。
フェニルピロール系
呼吸障害を引き起こしてシロアリを退治します。高い殺蟻力があります。
人や家畜、魚類に対する毒性が強いので、使用には十分な注意が必要です。非忌避性で遅効性があるため、ドミノ効果も期待できます。
シロアリ駆除の薬剤を選ぶときのポイントは?
シロアリ駆除の薬剤は、成分によって特徴があります。それぞれの特徴をよく理解した上で、適切な薬剤を選ぶことが重要です。
では、どのようなポイントに注意して、薬剤を選べば良いのでしょうか?
シロアリ駆除の薬剤を選ぶときのポイントは3つあります。
「忌避性」か「非忌避性」か?
忌避とは、嫌って避けること。忌避性の薬剤は、シロアリが嫌いな成分が含まれているため、その薬剤のそばには近寄りません。
中には、薬剤に触れると死んでしまう強い成分のものもあります。
忌避性の高い薬剤は、シロアリが寄り付かないことから、シロアリ予防に使用することで高い効果が得られます。
非忌避性の薬剤は、シロアリが嫌いな成分で作られていないため、シロアリは薬剤とは知らずに近寄ります。
そのため、毒エサとして利用することもあります。ゴキブリ退治に使うホウ酸団子のようなものです。
シロアリは巣ごと退治しなければ意味がありません。だから、薬剤に触れてもらわないことには話にならないのです。
新しい駆除剤やマイクロカプセル製剤には、非忌避性のものが多くあります。
「即効性」があるか「遅効性」があるか?
即効性のある薬剤は、薬剤に触れてすぐにシロアリは死んでしまいます。これではシロアリ駆除にはなりません。
シロアリ駆除剤は、遅効性のあるものでなければならないのです。シロアリが食べるなどして体の中に薬剤は入ります。
そしてそのまま、死なずに巣まで帰ってもらわないと意味がありません。そのため、薬の効果は遅れて現れるものが良いのです。
伝播性があるかどうか?
伝播とは、伝わり広まること。伝播性がある薬剤なら、シロアリからシロアリに薬剤が広まって退治することができるのです。
シロアリは仲間同士で体を舐め合うグルーミングをする習性があります。
薬剤のついたシロアリが巣に帰り、他のシロアリがその薬剤を舐めることで巣ごとシロアリを駆除するのです。
巣ごとシロアリを駆除するためには、伝播性のある薬剤を選ぶのが良いのです。
シロアリ駆除の薬剤にもいろいろな種類があり、その成分によってそれぞれ特徴があります。
安全性をクリアしている薬剤でも、使い方や使用量によっては注意が必要なものもあります。
目的や使用する環境によって、薬剤を選ぶようにすると良いでしょう。
もう人体への薬害はない?注目のシロアリ駆除剤!
シロアリ駆除の薬剤は人体にどんな影響を与えるのでしょうか。
シロアリは退治できても、身体に悪影響が出るようでは困りますよね。
薬剤による健康被害は、薬剤の中に含まれる化学物質が原因です。
今日は、薬剤に引き起こされるシックハウス症候群や、健康に害のない駆除法、今注目されている薬剤についてお話いたします。
シックハウス症候群も!シロアリ駆除剤による健康被害
「シックハウス症候群」とは、家屋の影響で様々な病気や健康被害、アレルギーが発生する症状の総称です。
その原因は様々ですが、建材や家具などに含まれる化学物質が代表的です。
新築、リフォーム、引っ越しなど、環境の変化がきっかけで発症するケースが多いのが特徴です。
そのため、意外に感じるかもしれませんが、シロアリ駆除もシックハウス症候群の原因となります。
シロアリ駆除剤の中に含まれる化学物質が、症状を引き起こすのです。
例えば、有機リン系の薬剤。
もともとは化学兵器開発途中に考案されたもので、地下鉄サリン事件で知られる「サリン」の仲間です。
サリンに比べたら毒性が低いことは確かですが、どんな安全基準を満たしていたとしても、まったく無害であるはずはありません。
シックハウス症候群の症状としては、頭痛、めまい、倦怠感、目や喉への刺激や違和感などが挙げられます。
他の病気と区別がつきにくいかもしれませんが、家の内外での体調を比べてみるとよくわかります。
「家に帰ると目がチカチカする」
「家に居ると頭痛が止まらない」
といった場合は、シックハウス症候群である可能性が高いと言えます。
化学薬剤は使いません!安心安全なシロアリ駆除方法!
「シロアリは家を壊し、駆除をすれば健康を害す」そう思うとため息が出てしまいます。
シロアリ被害に遭わないことが何よりですが、万が一の時はどうすればいいのでしょうか?
家族の健康を守りながら、シロアリを家から退治する方法が、実はあるんです。
それは、「ベイト工法」と呼ばれる方法です。
ベイト工法は、仲間にエサを分け与えるシロアリの習性を利用した工法です。
まず、家の周りにエサとなるベイト薬剤をしかけます。シロアリはエサ(ベイト薬剤)を食べます。
ベイト薬剤には脱皮ができなくなる成分が含まれているため、エサ(ベイト薬剤)を食べたシロアリは死んでしまいます。
この繰り返しで、最終的には巣ごと全滅させていく、という方法です。
ベイト工法は、大掛かりな作業や工事が不要のため、普段の生活を継続しながら行うことができます。
化学物質を使用していないことはもちろん、臭いもありません。
私たちにはうれしい、行いやすいシロアリ駆除法です。
ただ、エサ(ベイト薬剤)が巣全体に行き渡ることが必要なので、退治まで時間が必要です。
短くても数ヶ月かかると思っておくとよいでしょう。
注目の薬剤!ホウ酸塩系シロアリ駆除剤!
シロアリ駆除の薬剤の多くは「有機系シロアリ駆除剤」と呼ばれるものです。
これらは従来のものに比べると安全性も高く、使用量・用法を守ることで、人体への影響を抑えることができます。
しかし、薬剤そのものが「毒物」であることには変わりません。
それでは「安全」かもしれませんが、「安心」はできないですよね。
そこで、注目されているシロアリ駆除剤に「ホウ酸塩系シロアリ駆除剤」があります。
ホウ酸塩とは、5番目の元素である「ホウ素」と酸素が結びついた化合物のことを指します。
ホウ酸は海水や温泉に多く含まれ、生活の中でも多く使われています。
目薬やコンタクトレンズの保存液、殺菌剤、殺虫剤などがその例にあたります。
こんなにも身近な天然物が、今、シロアリ駆除剤として活用されています。
では、どうしてホウ素がシロアリ駆除に効果的なのでしょうか?
シロアリのように腎臓を持たない生物が、ホウ素を過剰摂取すると細胞レベルでエネルギー代謝ができなくなります。
そして、最終的には餓死してしまうのです。
代謝という生命の基本プロセスに作用しますので、免疫を獲得することもまず考えられません。
古くから親しまれているゴキブリ退治の「ホウ酸団子」は、この性質を利用した代表的な例です。
一方で人間は、ホウ素を過剰摂取しても腎臓の働きによって短時間で排出することができます。
もし仮に、人間に影響があるとしたら、「食塩」と同じレベルだろうと言われています。
つまり、ほとんど影響がないと言ってもいいくらいなのです。
有機系シロアリ駆除剤と比べると、ホウ酸塩系シロアリ駆除剤は、安全性はかなり高いです。
また他にも、私たちが使いやすい点があります。
以下に紹介します。
〈ホウ酸塩系シロアリ駆除剤〉
- 安定性 : 高温でも長期間安定
- 持続期間 : 効果は30年以上
- 急性毒性 : 不揮発性で居住空間に散布しても安全
- 慢性毒性 : 無害
〈有機系シロアリ駆除剤〉
- 安定性 : 室温で蒸発・分解
- 持続期間 : 効果は5年(5年毎に再施工が必要)
- 急性毒性 : 居住空間での使用は厳禁
- 慢性毒性 : 妊婦、幼児に対する健康被害
「ホウ酸塩系シロアリ駆除剤」には、これだけ魅力的な条件が揃っています。
「選ばない手はない!」ですよね。
ただ、ひとつ覚えておいていただきたいのが、ホウ酸塩は「水に弱い」という弱点があります。
そのため、梅雨があり、湿度の高い日本には適さないと言われてきました。
これが、今まで主流にならなかった大きな原因です。
しかし、最近の住宅は防水対策も強化されていますし、土台や壁内部の木材が風雨にさらされることは通常ありません。
最大の弱点が薄れてきた今、「ホウ酸塩系シロアリ駆除剤」を選ぶ人が増えてきているのは当然かもしれませんね。
シロアリ駆除を行う際に、欠かせないのが家族の健康への配慮です。
健康志向の高まりとともに、薬剤に対して抵抗を持っていらっしゃる方も多いかもしれません。
そんな方にとっても、今回ご紹介したような薬剤を使わない駆除法、安全性の高い薬剤なら選んでいただきやすいのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてくださいね!
シロアリ駆除薬剤についてのよくある質問
シロアリ駆除をする際に気になるのが、使用する薬剤のこと。
業者によっては薬剤についての説明がない場合もありますが、安全性や効果など知っておきたいことはたくさんあります。
今回はシロアリ駆除の薬剤について、よくある質問とその回答をご紹介します。
シロアリ駆除薬剤は安全ですか?
シロアリ駆除をする際に最も気になるのが、使用する薬剤の安全性ではないでしょうか?
薬剤散布をすることで人体やペットに悪影響があっては困ります。
シロアリ駆除薬剤の中には、危険と言われている薬剤もあるようですが、本当に安全なのでしょうか?
効果の高い薬剤は、それだけ強い薬剤です。強い薬剤は毒性も強いため、体への影響が心配です。
昔はこのような危険な薬剤も使用していたので、シロアリ駆除は多少なりとも人体やペットへの影響がありました。
しかし、現在は安全基準を満たした安全な薬剤だけを使用しています。使用量をきちんと守りさえすれば、安全性は高く人体への影響もありません。
とはいえ、薬剤には劇物指定されている成分も多く含まれています。
アレルギー体質の方や妊婦さん、赤ちゃんやペットがいる場合は、注意するに越したことはありません。
また、化学物質過敏症の方は、微量の薬剤でも反応してしまうこともあります。
心配な場合は薬剤散布を行わない方法にするなど、専門業者に相談すると良いでしょう。
どんな薬剤を使用するのですか?
シロアリ駆除に使用する薬剤は、日本しろあり対策協会が認定している薬剤を使用するのが一般的です。
人体への影響の心配がない安全性の高い薬剤です。
多く使用されるのはネオニコチノイド系や合成ピレスロイド系、またはカーバメイト系の薬剤です。
巣ごと退治するベイト工法では、非忌避性の薬剤を毒エサとして使用します。これは薬剤散布をせずに行う工法です。
また、シロアリ予防には、忌避性の高いヒバ油やピレスロイド系の薬剤を使います。
どんな薬剤を使用するかは、駆除方法によって、駆除するのか予防するのかによっても違います。
被害状況を調査し、シロアリの種類や家の構造などを考慮し、適切な薬剤を使用します。
薬剤の臭いはきつくないですか?
薬剤散布をした場合の臭いを心配される方は多いです。
実際、シロアリ駆除をしたら、部屋中に薬剤の臭いが充満してしまい困ったという例もまれにあります。
これは、シロアリ駆除をした業者の経験不足によるミスが原因であることが多いようです。
建物の構造を理解せずに薬剤散布をしてしまった結果、空気が部屋に充満してしまうという状況が起きてしまったのでしょう。
専門知識のある業者であれば、このような事態は避けられるはずです。
シロアリ駆除を依頼する際には、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
しかし、臭いの感じ方には個人差が大きいものです。
臭いがきついと感じる場合、シックハウス症候群になるなど体への影響が心配されます。
最近は臭いが少ない低臭性の薬剤を使用することが多いですが、臭いが全くないわけではありません。
臭いは徐々に消えていくものの、暫くの間臭いが残ることもあります。
駆除後は十分な換気をするようにすると良いでしょう。
また、シロアリ駆除作業は主に床下で行うため、カビやホコリの臭いが気になることもありますが、この臭いも数日で徐々に消えます。
薬剤散布の効果は何年くらい継続しますか?
薬剤散布の効果は約5年くらいです。そのため、保証期間も最長5年になっています。
日本しろあり対策協会が認定している薬剤は安全基準を満たしている薬剤のため、5年程度しか効果が持続しないのです。
たった5年?と思われるかもしれませんが、薬剤の効果は5年というのが一般的です。
薬剤は徐々に分解され、人体や自然環境への影響が少ないように配慮されているため、5年程度しか効果が継続しないのです。
ただし、薬剤の種類や環境によっても効果の持続時間は多少変わります。最長でも5年と考え、定期的な点検をするようにしましょう。
シロアリ駆除の薬剤は、ゴキブリや他の害虫にも効くのですか?
シロアリ駆除薬剤は、あくまでもシロアリを駆除するための薬剤です。
薬剤が直接かかった場合には効果がありますが、ゴキブリや他の害虫を駆除することはできません。
昔は危険で毒性の強い薬剤が使用されていたシロアリ駆除も、最近は安全性の高い薬剤を使用するようになりました。
しかし、薬剤は薬剤ですので、アレルギー体質の方や過敏な方には少なからず影響が出る場合もあります。
無臭タイプのものや低臭性のものも多いですが、臭い敏感な方にはきつく感じられるかもしれません。
そのため、駆除後には十分な換気をすることも大切です。
また、シロアリ駆除の効果は約5年です。一度駆除したからといって安心せず、定期的な点検をするようにしましょう。
薬剤を安全に使用し、効果を十分に得るためには、シロアリの種類や家の構造、環境などもよく理解しておく必要があります。
経験豊富で信頼できる業者を選ぶようにしたいものです。